interview#01
1 CROSS SESSION

業界の現状を変え
ファッションを盛り上げるためにできること

クリーデンス × テンプスタッフ × メッシュウェル

今、アパレル業界では販売員が慢性的不足しています。
その理由は企業側の要望と商業施設の仕組み、働き手の希望が複合的に絡み合い、働きたくても働けない人たちの障壁となっているようです。
ライフスタイルが多様化している一方で、働き方は未だ多様化しておらず、経験値の高い元販売員でも働くことが難しいという現状を変えていこうと、ファッション業界や販売職の人材支援・転職サービスを行う、パーソルキャリア(クリーデンス)、パーソルテンプスタッフ、メッシュウェルの3社が立ち上がりました。

<参加者>

パーソル キャリア株式会社

  • 河崎達哉:
    クリーデンス事業部 事業責任者
    (以下、河崎クリーデンスGM)
  • 細野和歌子:
    クリーデンス事業部 マネジャー
    (以下、細野クリーデンスMG)

パーソル テンプスタッフ株式会社

  • 塩谷健太郎:
    マーケティング事業部 部長
    (以下、塩谷パーソルテンプMK部長)
  • 北岡智仙:
    第三スタッフィング企画室 マーケティングスタッフチームマネージャー
    (以下、北岡パーソルテンプMG)

株式会社メッシュウェル

  • 窪田光平:
    代表取締役CEO
    (以下、窪田メッシュウェルCEO)
  • 伊藤ゆり:
    CCO
    (以下、伊藤メッシュウェルCCO)

身をもって経験したことで現状を改めて理解
もっと働き方を知ってほしい!

 最初にこの3社が結束した経緯を教えてください。

[窪田メッシュウェルCEO]

きっかけはメッシュウェルを立ち上げたことから始まっています。
子供が生まれて家庭と仕事の両立をするようになったら、保育園問題や夫婦のどちらかしか働きにくくなることなど、色々考えなくてはならないことが出てきて、これを解決するには働き方を変えていかなくてはならないなということが原体験にあります。

一方で、メッシュウェルのサービスがスタートしてみると、求職者側も正規・非正規・フリーランスなど様々な働き方があっても、それらのメリット・デメリットや自分に合っている働き方はどれなのか、余り理解されていないということも分かってきたのです。
説明すると「こういう働き方もあるんだ」といわれるので、まだまだ求職者に伝えきれていないなと実感して、もっと多様な働き方の選択肢を提案できないかと思いました。

そんな時に友人を通じてクリーデンス、パーソルテンプスタッフと繋がることができ、この3社がタッグを組めば、様々な働き方を求職者に発信していけると考えました。

 では、ファッション業界で仕事探しをしている方に向けて、3社の特徴を教えていただけますか。

[河崎クリーデンスGM]

クリーデンスはパーソルキャリアの中ファッション・アパレル業界に特化した転職、採用支援を行っています。最近はファッション業界で“ライフスタイル提案”というキーワードが出てきたことも加味し、スポーツやインテリア、雑貨、飲食関連も含め、広義の意味でのファッションに紐づけて、ファッション業界に就業したい方に登録いただいています。
もちろんファッション業界未経験でも、チャレンジしたい方の支援をしています。

[細野クリーデンスMG]

ご紹介可能な雇用形態は正社員、契約社員が中心ですが、最近は業務委託で就業を希望する方も増えています。企業側の業務委託雇用受け入れも増えてきています。職種の方は販売が約半分を占めていますが、デザイナーやMD、生産管理などモノづくり系から営業、販促、VMDなど幅広い職種をご紹介し支援しています。

[塩谷パーソルテンプMK部長]

パーソルテンプスタッフは人材派遣事業をメインで行っていますが、その中でマーケティング事業部は販売職と営業職、テレマーケティングの領域を専門としている部署になります。クリーデンスやメッシュウェルのようにファッション業界専業ではありませんが、アパレルからカフェ、雑貨店など、広い分野での販売職を複合的に提供しています。
登録者の方は主に元販売員の方で今までの経験を生かして働きたいという方が中心で、ライフスタイルが変わり時短で働きたい、週3,4日または平日だけ働きたい、希望のエリアで働きたい、希望のブランドで働きたいという、様々な選択肢の中から自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶ方が多いです。

[北岡パーソルテンプMG]

案件の幅は広く、バリエーションがあることが特徴です。クリーデンスのようにファッション業界を希望されている方もいれば、販売未経験だけど販売職に挑戦したい方も多くいらっしゃいます。

[窪田メッシュウェルCEO]

メッシュウェルは両社と違い、スポットの仕事がメインです。求職者の働ける時間にマッチングさせていくという点では、一番求職者に沿ったマッチングをしていると思います。昨年、起業したばかりの若輩ですが、当分は販売職だけに特化していこうと考えています。
登録ユーザーは3タイプあり、元販売職で今は子育て中でフルタイムでは働けない方、元販売職で今は転職してしまったが休日で販売やりたいダブルワーカーの方、あとはスタイリストやモデルなど、個人事業主をしている方で構成されています。

[伊藤メッシュウェルCCO]

業種はアパレルがメインで、仕事内容も接客とお畳のみと限定しています。

 それぞれ特色を持って営業をしてきたけど伝わっていない理由は何でしょう?

[塩谷パーソルテンプMK部長]

多くの方にご登録していただいているにも関わらず、多様化する求職者の課題にお応えしきれなかった現状がありました。
自社ではお応えしきれない案件、例えば正社員を第一希望で考えている方に同じパーソルグループであるクリーデンスをご紹介することで、求職者の希望に近い働き方を知っていただくことができたのですが、自社のサービスの訴求にとどまっていました。

[北岡パーソルテンプMG]

そうですね、同じグループ会社なのに、お互いのことを余り知らない状態だったのは、本当にお恥ずかしいかぎりです。
どこに登録すれば就業できるか理解されていないということは、きっと求職者にもこの3社の違いはきちんと伝わっていなかったと思います。

働き方のパラダイムシフト
販売員の価値向上がカギになる

 各社が感じている今の課題は何ですか?

[河崎クリーデンスGM]

現在、転職・採用だけではなく、企業・求職者からあらゆる多様なニーズをいただくことが増えています。クリーデンスには「ファッションは人が創る。」という理念がありますが、オレンジ色の生地のイメージしたロゴは、人材紹介だけでなく、人や情報の行きかう広場となることをイメージしています。そのような中で、窪田さんたちと知り合うことができたのです。

[北岡パーソルテンプMG]

現状、ご登録いただいた方の3割程度しか就業していただけていない状況です。その理由は他で希望の仕事が見つかった方もいれば、働き方のマッチングができなかったなど様々な理由で働けない方もいました。
最近の傾向ですが、求職者も販売職は土日出勤が当たり前で希望の曜日、時間帯では働けないのが前提と思っている方も多いので、販売から事務へ希望する方もいらっしゃいます。実際は毎週土日に出勤しなくてもよく、時間帯や曜日の選択ができるようになってきているにもかかわらずです。
その点は私たちの情報発信が足りていなかったなと感じています。

[細野クリーデンスMG]

ご登録いただいた方のニーズに応えきれていないのはクリーデンスも同じです。求職者のニーズや転職・就業に対するモチベーションが様々で、今クリーデンスがお預かりしている、求人やサービス領域だけでは、登録者のニーズにお応えしきれていない状況でした。
その中には、現在子育て中で時短勤務を希望する方、子育てが一段落して復職を希望する方も増えていて、ご紹介実績も増えてきているのですが、社員雇用の場合は受け入れ体制の面でニーズに追いつけていない企業も多いようです。
なので、メッシュウェルのようなサービスは今後需要が高まっていくのではないかと思います。

[窪田メッシュウェルCEO]

今のアパレル業界の従事者数や平均年齢、これからの女性の働き方、少子高齢化問題と併せて考えると、ますます人手不足になるし、働きたくても働けないケースが増えると思うので、販売であってもフリーランスの働き方ができるということを啓蒙していく必要があると感じています。

 そうなると、これから販売職はどう変わるでしょうか?

[窪田メッシュウェルCEO]

店頭の話を聞いているとお客さまのサービスに対しての期待は高まっていて、実際に「あなたから買えて良かった」と言っていただけることも多く、人の価値が店やブランドの差別化につながっていると感じます。
より販売員の人柄や個性、多様性が求められるのではないかと思うのです。

[伊藤メッシュウェルCCO]

ECでお買い物している人いますが、EC見て店に来る人も実際多いです。買う前に誰かの意見が欲しいという方もいて、店舗で接客を受けると違うものを買う方もいます。
例えばスポーツ用品店で買い物するなら、スポーツ経験者の方がリアルな意見を言ってもらえるからそういう方に接客してもらいたいですよね。
経験を生かせる仕事だし、年齢も関係なく、むしろ高齢の方も活躍できる業界です。

[細野クリーデンスMG]

どの企業も販売員が不足しているので採用を強化していきたいのですが、一方で仕事に求めるクオリティが高くなってきています。その為、マッチングが難しくもなっているということもあります。スキルが高い方に来ていただけるように働き方の多様性に企業も柔軟に対応しようとしているところもあれば、できないところもあって、需要と供給のバランスがとりにくいですね。

[塩谷パーソルテンプMK部長]

事務領域の人材派遣サービスに長く携わっていた経験から考えると、今のファッション業界人手不足は人の流動が激しいことが理由なのではないかと考えています。事務の派遣は1社での継続年数が比較的長く、1つのところで安定して働けているケースが多いのです。
あとは仕事の内容に対し販売員のステータスが低いイメージがついていることも要因ではないでしょうか。実際、事務職の方が時間給も高めに設定されていることが多いように感じます。販売職は価値ある仕事だと感じているのでもっと評価されるべき仕事だと思いますし、今後の社会を考えると価値をあげないと益々人手不足のスパイラルに陥ってしまうのではないでしょうか。

[河崎クリーデンスGM]

個人的にテーマにしているのは“販売員の専門職化”です。それくらいの価値がある仕事で、ものすごい技術が必要な仕事です。
A.I.の時代に生き残れるのは「0から1を作れる人」と「心に向き合える人」だと考えています。販売職はまさに人の心に向き合う仕事です。色んなお客様の心に向き合い、最高の満足をいただくことは一つの専門職だと思っています。ただ、それが現状では成り立ちにくい。
専門職が成り立つ業界に共通していることは、その業界に長く勤めて、スキルが永続的に成長できると思われているか、否かです。そのなるには働き方の多様性に対応していく必要があります。

[細野クリーデンスMG]

求職者の中にはアパレル業界を一度離れたものの、「やっぱりファッションが好き」という気持ちが湧き、またアパレル業界に戻ってこられる方も多く、本当にこの業界を好きな人が多いなといつも思います。こんなに思いを持って働いている人たちが多い業界は他にありません。今は働けないけど、また戻りたいという方は応援したいですね。

[塩谷パーソルテンプMK部長]

業界全体がパラダイムシフトしないといけませんね。
以前、事務も同じ状況でフルタイムが一般的だった時代がありましたが、時短でも働けるように変わりましたし、この業界も変わっていかないと。

変わりつつある働き方を知ることが大事
今、3社が伝えたいこと

 最後に求職者に向けてこの3社をどう活用してもらいたいですか。

[窪田メッシュウェルCEO]

まずは働き方の違いを理解してもらいたい、知ってもらいたい。そして、知るだけでなく、行動を起こしてほしい。我々に相談しに来てほしい。
例えばメッシュウェルに相談して、違うと感じても2社をご紹介できるし、この3社がタッグを組むことで、その方にマッチする働き方をご提案できるようにします。
さらにライフステージが変わって働き方を変えたくなったら、また相談してもらえればいいので、「仕事において頼れるパートナー」として使っていただきたいです。

[河崎クリーデンスGM]

今回のイベントや各社への個別相談をいただくことで、まずは働き方の情報を得ていただきたいと思っています。それによって、働き方の志向や心の整理をつけて、自分の未来に希望を感じてもらえると嬉しいです。
働き方で何かしら悩んでいる人が多いはず。悩みが言語化されれば、解決策もはっきりします。販売職を続けていけることにワクワク感を持ってもらえることが理想です。